不安はどこからやって来る?
不安な気持ちになるのは、将来に対して不確定要素があるからです。この先どうなるのかわからない、または自分にとって不都合なことが起きる可能性が高いと感じているからです。何かの出来事を体験または見聞きしたことが刺激となり、その反応として不安な気持ちが生まれたわけです。
どんな出来事が刺激となったのか?それは事実なのか意見なのかを見極めることも大切です。もしかすると、その出来事は事実ではないかもしれないからです。
不安は生きるために必要
不安な気持ちになると怯えたり、警戒したり、落ち込んだり色んな気持ちが交錯して、仕事や家事など目の前のことに手がつけられない状態になることもあります。そんな時は慎重な思考や行動になります。もし今まで通りの生活をしていたらトラブルに巻き込まれてしまうかもしれない予知能力が働いているのかも知れません。一旦リセットする良い機会と捉えてみて下さい。
今の状態から逃れるには
それでも一刻も今の不安な気持ちから逃れたいと誰もが願います。時間が経過すれば徐々に不安な気持ちも無くなることもありますが、長引く不安は自律神経のバランスを崩し、不眠、食欲不振、性欲減退など様々な症状が現れることがあります。
3週間以上不安な気持ちが継続するならば、何か今までとは違った行動を起こした方が良いかも知れません。そこでおすすめの方法が運動とコミュニケーションです。
話すことで不安が減る
解消法の1つとしてコミュニケーション、話すことです。自分では分かっているつもり、または分かっていないことも頭の中にあることを「話すこと=アウトプット」することで整理整頓されていきます。話す内容は悩みや不安なことでなくても大丈夫です。今は頭の中で考えが渋滞を起こしている状態なので、頭の中から外に考えや言葉を出すことで隙間やゆとりが作られます。一気に解消することもあれば、時間が必要なケースもあります。多くの場合、何度かコミュニケーションを重ねることで徐々に不安が解消されていきます。
コミュニケーションのはじめかた
スマホの連絡先から知り合い10人に「最近元気ですか?」とメッセージを送ってみましょう。親、兄弟、友人、先輩、知人など誰でもOKです。10人にメッセージを送るとなると無意識のうちに話しやすい人を選んでいるはずです。レスポンスのあった人に「今度近くに行くので一緒にお茶しませんか?」とメッセージを送って下さい。約束を取り付けてお互いの近況や昔話で盛り上がっても大丈夫です。相手の価値観や感性に触れることで自分の物事を見るフィルターも変わるかも知れません。最初から不安や悩み相談をするのは恥ずかしいと思います。何人かの人と会い、その後のメッセージのやり取りから悩みの相談に発展すると親身になってくれます。
運動をして不安に強くなる
運動すると健康になることは知られていますが、脳が鍛えられるというイメージはないと思います。
ハーバード大学医学部ジョン・レティ教授は「脳を鍛えるには運動しかない」と言っています。
運動は精神や脳にも良く、運動をしないと筋肉と同じように脳も萎縮します。
BDNF
運動するとBDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌されます。
BDNFが分泌されると
- 記憶力や学習能力が向上する
- 記憶力や集中力が高まる
運動したら勉強したくなるし、勉強したら運動したくなるといった循環が発生します。
ストレスが解消される
運動することで鬱やメンタル疾患になりにくくなり、ストレスも解消されて最高の脳の状態になる。さらに肥満率や血圧や心拍数も改善します。
ストレスがあるから運動が出来ないと言う人もいますが、逆説的には運動をしないからストレスが解消しないとも言えます。
誰かと一緒に運動するとセロトニンが分泌されるので、不安が薄れて精神が安定してストレス、パニック障害、鬱、ADHD、依存症、社会不安障害にも効果が証明されています。
うつ病の人に運動をさせた実験では薬よりも運動の方が精神を安定させる効果が高いこともわかっています。しかも薬には副作用があるが運動には副作用がありません。
運動しないと脳が劣化する
- 運動不足
- 加齢
- ストレス
この3つが脳を劣化させる要員です。40歳を過ぎるとBDNFの分泌量が減少します。週2回の運動で認知症の確率が50%も下がる
ストレスによって脳内ではコルチゾールという物質が出ることでBDNFが減少する。うつ病の初期症状として物忘れやうっかりミスが増えるのは、ストレスによって急激にBDNFが減少するから
どんな運動がいいか
週に4回、30分〜60分の有酸素運動をするのがベストです。有酸素運動とは、ランニングや水泳やウォーキングなど持続して身体を動かす運動です。
ウォーキングは早歩きで最後の100mはダッシュ、ポイントは挫折しないようにいきなりキツイ運動から始めない、60歳以上の人は毎日運動をした方がいいです。
笑い話になる
永遠とツラく苦しいことが続くことは絶対にありません。5年後には話のネタになるくらい笑い話として話せるくらい心が強くなっています。その時に同じ悩みを持っている人の苦しみを共感できるよう人の話を傾聴する意識を高めていきましょう。運は人が運んできます。良い運も悪い運も環境次第で変わります。人の話に耳を傾けられないと運を逃すことがあるので気をつけていきましょう。